【エステの彼】
脱毛するため エステで2年ほどお世話になった時の話
そのエステには アメリカンショートヘアの猫がいた
初めて エステに伺って
施術の説明を受けている時に
チョコチョコっとやって来た
そして
テーブルに上がってきて
一緒に説明を聞いたのが 出会い
1時間ぐらい 説明があったが
ずっとテーブルの上にいて
時折 説明書や契約書を覗き込むようにして
見ていたのが印象的だった
彼は とても落ち着いていて 賢い猫だった
飼い主である エステの方が 彼に話しかけると
まるで 何かを話してるかのように 鳴いていた
彼は 部屋を自由に行き来できるのだけど
エステの部屋で過ごすことが ほとんどだった
看板猫として プライドを持って仕事をしていた
施術中も 気が向くとやって来て
私のお腹の上で過ごすこともあった(接客のプロ!!)
※こんな感じで 一緒にいてくれる
(絵が破壊的にヘタで 申し訳ない・・・)
お客様によっては
「今日は 彼に会いに来た」と言って
施術をせずに 彼やエステの方とお話しだけして
帰られる方もいらっしゃるらしい・・・
ある日のこと
いつものように伺うと
必ず エステのベッドの上に 堂々と丸くなって
「ニャー」と言って
私を出迎えてくれる 彼の姿がなかった
尋ねると
「ちょっと調子が悪くてね 隣の部屋で休んでるの」
と話してくれた
いつも出迎えてくれる 彼がいないことに
ちょっと寂しく思いながら 施術を受けていると
「ニャン」と鳴き声が・・・
「どうしたの?来たの?」とエステの方が聞くと
「ニャン」と 弱々しく鳴いて 戻って行った
その後 容態が急変し 彼は亡くなった
あの時 彼はきっと 最後の挨拶に来てくれたのだろう
その時 私は うつ伏せで施術してもらっていて
彼の姿を見ることができなかった
いや
また会えると 呑気に思って
私は 彼を見ようとしなかったんだ
今思い出しても 申し訳ない気持ちでいっぱいになる